オペラ鑑賞覚書

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ロッシーニ 「アルジェのイタリア女」 シモーネ 1980

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今夜はロッシーニの「アルジェのイタリア女」全曲を聞きました。クラウディオ・シモーネ指揮イ・ソリスティ・ヴェネティの演奏、1980年の録音(ERATO盤)です。

マリリン・ホーン、シモーネと過日鑑賞した「ラ・チェネレントラ」と同じ顔ぶれですが、それぞれの芸風を全編で堪能することができます。

エルネスト・パラシオのリンドーロも輝かしい声を聞かせてくれます。フローレスの師であり、2016年からペーザロのロッシーニ・オペラ・フェスティヴァルの芸術監督に就任しているようです。

サミュエル・ラメイのムスターファ、キャスリーン・バトルのエルヴィーラも素晴らしい歌唱を聞かせてくれますが、ラメイはここでは生真面目に聞こえてしまうでしょうか。

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ロッシーニ 「ラ・チェネレントラ」 シモーネ 1982

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今夜はロッシーニの「ラ・チェネレントラ」全曲を聞きました。クラウディオ・シモーネ指揮サンフランシスコ歌劇場の演奏、1982年の録音(PONTO盤)です。

先週鑑賞したファブリティース盤から19年後の収録となりますが、ドン・マニフィコは同じくパオロ・モンタルソロであり、堂に入った歌唱を披露しています。実演らしい感興にも溢れており、ほぼ同時期に収録されたアバドの映像と双璧をなすドン・マニフィコと思えます。

アバドの映像といえば、ドン・ラミーロもこの役を得意としたフランシスコ・アライザです。真面目で一本気な王子の歌唱として盤石と言えるでしょう。

題名役はマリリン・ホーン。チェネレントラとしてはあまりに貫禄と風格を兼ね備えた歌唱です。京塚昌子を彷彿させるかもしれません(笑)。しかし、これは否定的に言っているのではありません!この歌唱の素晴らしさは他の追随を許さないものがあります。(声質が可憐ではないチェネレントラとしては、バルトリが思い起こされますが、ホーンとでは格の違いがあるように思えてしまいます。バルトリのファンの方々、ごめんなさい。)

歌手陣の魅力はここに書ききれないほどありますが、総じて、これまで聞いてきた「ラ・チェネレントラ」の最愛聴盤として挙げるに臆することはありません。それは、シモーネの指揮も大いに貢献しています。このセンスの良さは、バロック音楽だけでなく、ロッシーニやレスピーギといったイタリアの作品に比類なき魅力を発揮しています。

なお、このディスクの解説書では、録音年が1983となっていますが、正確には1982年10月の収録のようです。
http://www.esdf-opera.de/komponisten/rossini/la_cenerentola/la_cenerentola_1980-1989.htm

ロッシーニ 「ラ・チェネレントラ」 ファブリティース 1963

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今夜はロッシーニの「ラ・チェネレントラ」全曲を聞きました。オリヴィエーロ・デ・ファブリティース指揮フィレンツェ五月音楽祭管弦楽団の演奏、1963年の録音(DECCA盤)です。

演奏は序曲からいかにも古風な響きです。楽譜も近年のロッシーニ・ルネッサンス前の古い版なのでしょうか。細かい部分もさることながら、アリドーロが物乞いから正体を明かす場面など、途中から全く別の旋律となっています。

ドン・マニフィコは、ブッフォの大歌手パオロ・モンタルソロですが、声が若々しい!収録時38歳であり、かの有名なポネルの映像(アバド指揮スカラ座)よりも18年前の録音となります。

逆にジュリエッタ・シミオナートは1966年に引退していますので、その3年前の収録となります。現役としてのキャリア晩年となりますが、あまり衰えを感じさせません。シミオナートがラ・チェネレントラを遺してくれたことに感謝します。

ヴェルディ 「ファルスタッフ」 カラヤン 1956

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今夜はヴェルディの「ファルスタッフ」全曲を聞きました。ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮フィルハーモニア管弦楽団の演奏、1956年6月から7月の録音(EMI盤)です。

1950年代のカラヤンとなれば颯爽とした演奏を期待してしまいます。「フィガロの結婚」(ウィーン、1950年)、「魔笛」(ウィーン、1950年)、「こうもり」(フィルハーモニア、1955年)等、流麗な演奏は今もって輝きを失っていません。

ところが、「コジ・ファン・トゥッテ」や「ヘンゼルとグレーテル」では重さが気になった記憶があります。そして、この「ファルスタッフ」もいくぶん舌に重みが残るような気がします。鈍重とは言いませんが、どうしても「当時のカラヤンならば…」という思いが拭えません。

歌手陣はゴッビ、アルヴァ、パネライ、ザッカーリア、シュヴァルツコップ、モッフォ、メリマン、バルビエーリと偉大な歌手が一堂に会した趣があります。それでも、アンサンブル・オペラとしての協調が隅々まで行き届いているため、個々の歌手陣の魅力は減退しているかもしれません。

私の周囲のオールドファンは、「ファルスタッフ」となると、このカラヤン旧盤を挙げることが多いのですが、「古い録音ならば、トスカニーニがあるのに…」と思えてしまいます。

ところで、第1幕でのファルスタッフと従者の喧騒でアカペラで歌われる箇所がありますが、その一部が、「ドン・カルロ」での火刑の場の一部に酷似していることに気づきました。

ヴェルディ 「オテロ」 レヴァイン 1978

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今夜はヴェルディの「オテロ」全曲を聞きました。ジェームズ・レヴァイン指揮ナショナルフィルハーモニック管弦楽団の演奏、1978年8月の録音(RCA盤)です。

今から41年前の収録となりますが、音の分離は良く、冒頭の場面で木管楽器が鮮明に聞こえる演奏も他に思いあたりません。今日でも充分に現役盤と成り得るでしょう。

ドミンゴの若々しさ(確かこれがドミンゴにとって初めてのオテロ)、ミルンズの役者っぷり、そして豪快なレヴァインの指揮ぶりに惹かれます。マッカシー率いるアンブロジアン合唱団も珍しく粗削りとなっており、劇性を高めています。

ただし、第2幕のマンドリンを伴う場面は、せわしなく感じられました。

ヴェルディ総決算、晩年の傑作を鑑賞するといった高尚な趣ではないかもしれませんが(かつ、第2幕以降は一本調子に聞こえてしまうこともあるのですが)、「オテロ」をドラマティックなオペラの一つとして堪能する録音として貴重と思います。