2020/11/28

ワーグナー 「タンホイザー」 シノーポリ 1988

今夜はワーグナーの「タンホイザー」全曲を聞きました。ジュゼッペ・シノーポリ指揮フィルハーモニア管弦楽団による演奏、1988年4月、8月の録音(DG盤)です。

この録音、かつては好意的に鑑賞した覚えがありません。その理由は、ひとえにシノーポリ特有の機械的でありながら粘着質な表現に馴染めなかったことがあります。ところが、今回、あらためて聞き直してみると、全く気にならないではありませんか!(ただし、第2幕、有名な行進曲の場面は曲を聞くよりシノーポリを聞くといった趣でしたけれども。)

もともと、歌手陣は素晴らしいだけにこれが愉しめれば幸いです。ドミンゴもタンホイザーではそれほど違和感がありませんし、何でもかんでも歌って個性が見えなくなってしまったステューダーも好感が持てます。サルミネンとバルツァは盤石とでも言いたくなります。ことにバルツァはここで美声を駆使しています。

特筆すべきは、シュミットのヴォルフラムです。収録当時のシュミットには、もっと高名になると予想していたのですが…。美声を堪能することができます。そして、若き羊飼いは、バーバラ・ボニー!

なお、この録音はパリ版に基づく演奏となっており、序曲が途中からバッカナールとなります。録音で聞く限りでは、冗長に感じてしまう場面ではありますが、シノーポリはフィルハーモニア管弦楽団の機能美を活かして飽きさせません。



タンホイザー: プラシド・ドミンゴ
領主ヘルマン: マッティ・サルミネン
エリーザベト: チェリル・ステューダー
ヴェーヌス: アグネス・バルツァ
ヴォルフラム: アンドレアス・シュミット
ワルター: ウィリアム・ペル
ハインリッヒ: クレメンス・ビーバー
ビテロルフ: クルト・リドル
ラインマル: オスカル・ヒレブラント
若き羊飼い: バーバラ・ボニー
4人の侍童: マーガレット・シュトーバルト、ジャネッテ・ウィルソン、イングリート・バイアー、カレン・シェルビー
フィルハーモニア管弦楽団
コヴェントガーデン王立歌劇場合唱団
ジュゼッペ・シノーポリ
1988年4月、8月 ロンドン、ワトフォード・タウンホール
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