2020/12/19

シュトラウス 「カプリッチョ」 ベーム 1960

今夜はリヒャルト・シュトラウスの「カプリッチョ」全曲を聞きました。カール・ベーム指揮ウィーン国立歌劇場による演奏、1960年5月15日の実況録音(Documents盤)です。

1960年の収録とはいえ、実況録音ゆえでしょうか、音質は良くありません。それでも、聞き進めていくと、音質が気にならなくなります。素晴らしい歌手陣を擁しており、マイクが声を巧く捉えているからでしょう。

ことに、男声低音にウーデ(伯爵)、ベリー(詩人)、シェフラー(劇場支配人)が揃った豪華さは他に望めないでしょう。(ベームのDG盤は順にDFD、プライ、リーダーブッシュ。サヴァリッシュのEMI盤はヴェヒター、DFD、ホッター。もちろん、DG盤もEMI盤も素晴らしいですが、「カプリッチョ」を聞く上で、どうしてもDFDは肩を張りすぎている気がします。)

ケートとザンピエーリもイタリア歌手を好演しています。ことにケートは脇役としてさまざまな録音が遺されていることに感謝します。

「カプリッチョ」といえば伯爵令嬢が最も重要な役となりますが、シュヴァルツコップは素晴らしいですね。シュヴァルツコップといえば、私と相性が非常に悪く、この大歌手ゆえに最後まで聞き通すことができない録音が山ほどあります。凝りに凝った歌唱に鬱陶しくなってしまうことがその理由と思われますが、この実演ではストレートフォーワードな発声であり、貫禄十分ではないでしょうか。


さて、今年は大変な年でした。本当に大変な年でした。それでも、少なくとも今は心穏やかに「カプリッチョ」を聞いて今年の鑑賞覚書を終えることができることを良しとします。



伯爵令嬢マドレーヌ: エリーザベト・シュヴァルツコップ
マドレーヌの兄、伯爵: ヘルマン・ウーデ
フラマン: アントン・デルモータ
詩人オリヴィエ: ワルター・ベリー
劇場支配人ラ・ローシュ: パウル・シェフラー
クレーロン: クリステル・ゴルツ
ムッシュ・トープ: ペーター・クライン
イタリアの歌手: エリカ・ケート
イタリアの歌手: ジュゼッペ・ザンピエーリ
家令: アロイス・ペルナーストルファー
ウィーン国立歌劇場管弦楽団
カール・ベーム
1960年5月15日
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コメント

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No title

DFDとシュヴァルツコップが苦手、というのは分かります。私も鬱陶しいな、と思うことしばしば(特にシュヴァルツコップ)。オペラ全体の中で彼らの役だけ浮いていることも多いですね。それだけ目立つ傑出した存在だったのかもしれませんが。

DFDとシュヴァルツコップ

おっしゃるように、DFDとシュヴァルツコップは傑出した存在であったのだと思います。

リートで比類ない業績を遺したDFDですが、私はリートよりもオペラに好きな録音が多くあります。たとえば、ワーグナーでは、肩肘をはったような歌唱を愉しく聞くことができます。(ただし、ヴォルフラムだけは、狡猾に聞こえてしまい苦手としています。)シュトラウスの喜劇では、何か違和感を覚えてしまいます。

リートと言えば、シュヴァルツコップへの苦手意識を決定づけたのは、シューベルトの歌曲集(EMI盤)でした。