2021/01/20

リヒャルト・シュトラウスのオペラ

今年最初のエントリーは、オペラ鑑賞の覚書ではなく雑感を記します。


Richard Georg Strauss、1864年6月11日 - 1949年9月8日(85歳没)

シュトラウスは15のオペラを遺しています。オペラ作曲家として成功を収めた作品は1905年、3作目の「サロメ」でしょう。

その後、およそ10年の間に「エレクトラ」、「ばらの騎士」、「ナクソス島のアリアドネ」を発表し、その名声を確固たるものとします。

戦後から今日にかけて、ベーム、サヴァリッシュ、ショルティ、そしてティーレマン等の活躍により「影のない女」という大傑作が世に広まるようになりました。「影のない女」は、「アリアドネ」の次に作曲されたオペラです。

ところが、それ以降の作品、つまり、1920年代以降の作品となると、まだまだ人気が今一つのような気がします。つまり、シュトラウスのオペラは、前半に人気が集中しているようです。

後半には、1930年代の「アラベラ」や「ダフネ」、そして1940年代の「ダナエの愛」と「カプリッチョ」という名作があります。

「サロメ」ならば「ダフネ」、「エレクトラ」ならば「ダナエの愛」、「ばらの騎士」ならば「アラベラ」、「アリアドネ」ならば「カプリッチョ」と、シュトラウスは前半作品をさらに卓越した筆致で後半の作品を書いていると思えるのです。

もちろん、シュトラウス・ファンからしてみれば、前半だけでなく後半のオペラをそれぞれ均等に愛していらっしゃることでしょう。

しかし、そのシュトラウス・ファンでも、前半に人気作(よく舞台にかかる作品)が集中していることは否定できないのではないでしょうか。録音、映像のリリースも数が限られていますから。

こういったシュトラウスの受容はなぜ起きるのでしょうか。ベーム、サヴァリッシュ、ショルティといった名匠が後半作品も積極的に紹介したこととは思いますが、聞き手が追いつかなかったように見受けられます。

やはり、後半作品は舞台にかけにくいといったことではなく、マーケットが前半作品を欲しているのではないでしょうか。つまり、作品の性格ゆえのこととなるのでしょう。

たとえば、ベートーヴェンの弦楽四重奏曲ならば最晩年の後期作品よりもラズモフスキーといった中期作品に人気があることと同じと思えるのです。ベートーヴェンの後期弦楽四重奏曲は、人類に与えられた至宝ですが、その魅力に開眼するまでは晦渋きわまりないことは否めません。

これと同じことなのだと思います。

逆を言えば、後期の魅力に開眼すれば、(初期中期の魅力を認めつつも)後期に惹かれることが多いのではないでしょうか。

今年度はじめのオペラ鑑賞、この流れでいけば、シュトラウスのオペラ鑑賞、それも中後期となるのでしょうが、今年はあえて初期中期をいくつか聞いていこうと思います。
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